2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『任す』と『負かす』の違い

『任す』と『負かす』が同じ訓読みで扱われることから、意味に混乱があるようですが、「任す」は使役する関係であり、「負かす」は被るばかりの受身(負役)する関係です。これは、付託と負託の違いにも共通する違いです。 「打ち任す」:任せきること 「打…

『託す』と『任す』の違い(「信託」と「信任」、「委託」と「委任」)

「たくす−たくされる」関係の『託す』は、間接する仲介を通じて、‘コト’の代理をお願いする意味です。‘コト’という内容を限定したお願いなので、直接的な人間関係を必要としません。仲介するもの(者、物)は、特定の人間が基本だったのですが、ネットメディ…

「信託」という言葉はあっても「伝託」という言葉はない

『言う』と『云う』、そして「謂う」の違いで、『言う』は、自分の言葉であり、『云う』は、周りの言葉と説明しましたが、人偏を付けた【信】と【伝】の違いについて考えます。 【信】は、自分の言葉なので、特定の相手を対象に「託す」ことができるので、「…

「託宣」を伺う「神託」

「神託」は神による【言付け】なのだが、神様の発言は伺うことから始まるので、恣意的な解釈が用いられ、争いを招くことがあります。 発信者と着信者が明確になってこそ、【言付け】は成り立つものなのです。

『託言』とは少し違う『託宣』

『託宣』とは、言葉に託したものを広く行き渡らせることを言います。ありがたいお言葉の宣伝であり、宗教的な扱いの場合に用いる表現です。普及の意図を持って述べられた場合は【言付け】であるといえます。 MacやiPhoneを愛するAppleファンの「宗教的反応」…

『留言』と『伝言』と『付言』

『留言』は、書き置きした言葉を意味します。中国語で使われていますが、日本では普及していません。主人が居ないことを意味する「留守」に通じるので、読み方は(るげん)が適当だと思います。因みに、「縷言(るげん)]」という同じ読み方をする言葉は他に…

視点感情の【言付け】と対立感情の【言付け】

<視点感情>とは、ある立場に居ることで生まれる感情を、<対立感情>は対立ありきで生まれる感情をそれぞれ意味しています。<主観>と<客観>の関係に近いと思います。 <視点感情>は、自己完結した世界になります。詩、音楽、映画、お笑いなど共感を呼…

見られない架空の表情で【言付け】するからできる過激表現

2ちゃんねるでは、「氏ね」などの過激表現が並んでいます。日常ではとても言えないような過激コメントが言えるのはなぜでしょうか。 <顔文字>の必要性を説明しましたが、<場>を決定するのが表情です。その表情を覆面して隠しているので、表情に比例しな…

抽象的な歌詞のメッセージ力と【言付け】

Dylan 批判の「風に吹かれて」/「中国で反戦歌自粛」に異例の反論という記事がありました。検閲があったかどうかなどの事実はさておき、ボブディランの「風に吹かれて」が反戦ソングであることが私には全く分かりません。 「風に吹かれて」が人気のあ…

ツイッター利用の【言付け】は言葉に有り難味がない?

「ツイッター」利用のミュージシャン、キャリア短くなる可能性=英調査 スターへの接触が簡単になったことにより、スターの魅力が薄れ、ファンに飽きられる可能性が高まったと分析しています。価値が希少性と強く相関するということなのでしょうか。それとも…

尻切れ言葉 『ような・・・』

こちらも「気付け」または「気付き」与えるネット特有の表現です。自らの予想コメントとしても使います。ツッコミ表現ではない謙譲?表現です。 リアルな対面会話でよく使われる「みたいな」のあいづち的な尻切れの語尾は、ネットではあまり使われない。 も…

尻切れ言葉 『思われ・・・』

相手に「気付け」または「気付き」を与えたいときに見られるネット特有の表現です。ある種のの謙譲語かもしれませんね(笑) 何か質問していたりする人に対して、「〇〇したらいいかと思われ」みたいな表現だった思いますが、最近は死滅した言葉のような気が…

「言葉にできない」無言の【言付け】

「言葉にできない」という小田和正(オフコース)さんの名曲に乗せて、写真が語るメッセージを並べる生命保険のCMがありますが、これも【言付け】でしょうか。 『ことづけ』は、“託け”であり、「事付け」も含みます。「信」という漢字が、文字以外の情報に…

【言付け】の『言付ける』と『言付かる』について

【言づけ:言付け】と【言づて:言伝】の違いの回と『言う』と『云う』の意味の違いの回で、【言付け】は、“話し言葉”でもない、“書き言葉”でもない、新しいメディア表現であると定義づけました。 そして、“託”には3つの読み方があり、“口実”扱いまでされる…

【言付け】は、託けるオブジェクト指向

【言付け】は、場に言葉を置き去りにするようなコミュニケーションです。その意味でオブジェクト指向の言葉遣いだといえます。

被役の『託ける』と使役の『授ける』 の違い

『ことづける』『かこつける』『かずける』という“託”の三つの読み方から、モノ(コト)ありきのオブジェクトを押し付けるイメージが集約されているように思います。 “託”の意味するものが、オブジェクトありきの被役的な表現というわけです。【言付け】は、…

『かずける、かづける(託ける)』という“託”の3つめの読み方

『ことづける(託ける)』と『かこつける(託ける)』の意味の違いについて説明しましたが、“託”には、『かずける、かづける(託ける)』というもうひとつの大和言葉の読みが当てられていました。 『かずける、かづける』の「かずく〔かづく〕」に【託く】と…

『言霊信仰』と【言付け】文化

言葉を何かに託して思いを表現する【言付け】文化は、言霊信仰につながります。 人力検索はてな による『言霊』とは?を参考にしていただきたいのですが、『言霊』は思考や行動を統制する観念を支配するものだと私は思います。 例えば、良い言葉を口にし、悪…

『ことづける(託ける)』」と『かこつける(託ける)』について

【言付け】は、漢字で“託”に置き換えられ、媒体を仲介して「たくす(託す)」意味になります。“託”は『ことづける(託ける)』と『かこつける(託ける)』の表現で使われますが、両者には意味に違いがあります。 『ことづける(託ける)』:「たくす(託す)…

尊敬語の「お言付け」とか「お言伝て」とか

「お言付け(おことづけ)」は、【御言付け/御託け】とも書き、「言付け(託)」に「御」をつけた尊敬語または丁寧語扱いになります。「お言伝て(おことづて)」は、「言伝」に「お」をつけた尊敬語または丁寧語扱いになります。 「〜とお言付けください」…

「電信」や「口信」に倣った訳語を探して・・・

「言い付け」と「言い伝え」の違いで、“口信”(“message”)という訳語に触れましたが、ここで扱うマルチメディアの【言付け】において、“〇信”という訳語が当てられないか考えてみました。 まず、「電信(telegraph)」は、文字・図・写真などを電気信号に変…

『申し付け』と『申し伝え』は謙譲語ではなく丁寧語

「申し付け」と「申し伝え」の違いは、「言い付け」と「言い伝え」の違いに相関した敬語表現になります。『申す』は一般に謙譲語とされていますが、高貴ではない人間の意思表示に過ぎないと思います。主語に囚われた使い分けの発想であり、欧米の主語ありき…

『言い付け』と『言い伝え』の違い

定義づけした【言づけ:言付け】と【言づて:言伝】の違いに類似した言葉として、‘言’を「こと」ではなく「いい」と大和言葉で読む「いいつけ(言い付け)」と「いいつたえ(言い伝え)」の違いについて説明します。 【言い付け】《いい‐つけ〔いひ‐〕》 1…

自分を他人事のように扱う<前置き表現>としての『〜的に』

ここで問題にしてるのは、<前置き表現>としての『〜的に』であって、「個人的には〜」、「自分的には〜」、「基本的に(〜な人だから・・・)」などを指します。 自分の立場を語って話題を遮る「基本的に〜な(人だから)」の用法については、〝訳に立たな…

『言う』と『云う』、そして「謂う」の違い

【言付け】と【言伝】の定義に関わる、『言う』と『云う』の違いについて考えていきます。「いう」は、『言う』『云う』「謂う」の3つがあります。 参考:『言う』と『云う』の違いについて『言う』:思考や行為を文句にして表現する。独自の論旨を表現する…