『言う』と『云う』、そして「謂う」の違い

 【言付け】と【言伝】の定義に関わる、『言う』と『云う』の違いについて考えていきます。「いう」は、『言う』『云う』「謂う」の3つがあります。 参考:『言う』と『云う』の違いについて

言う』:思考や行為を文句にして表現する。独自の論旨を表現する。言霊(定義)に則って独自の発言をする。<自分の言葉で表現すること>

云う』:雲の原字。「ここに」の意味、既存の論旨や他人の発言を引用する。「子曰く」の「曰」に等しい。前文内容を受け継ぐ同格の意味に用いる。<他人の言葉を借りて表現すること>

謂う」:所謂(いわゆる)という熟語があるように、ある意味に囲いを与えて、考えを述べること。独自に名付ける。    

 「伝(傳)わる」は、漢字の会意から『云う』に関連づけられた意味であるべきです。「言葉が伝(傳)わる」のは、周知できる言葉を借りて、言葉の内容そのままを相手に伝わることです。それは、主観的でアートな発想を排除した伝言ゲームです。【言伝】研究は、文学的な視点や社会学的な視点を排除した言語研究とするべきだと考えます。


 【言づけ:言付け】と【言づて:言伝】の違いの回で説明しましたが、“話し言葉”でもない、“書き言葉”でもない、新しいメディア表現が【言づけ】になります。

 【言付け】は、自分なりの発想で『言う』ことであり、そのまま伝達することより想いを表現することに目的がある。ツイッターのように<場>があればいいだけで、誰か特定の人にきちんと伝えたい表現ではない。贈り物や隠れた奉仕のように、自分の気持ちをメディアに託すのが、【言付け】であると定義します。