【言付け】の『言付ける』と『言付かる』について

 【言づけ:言付け】と【言づて:言伝】の違いの回と『言う』と『云う』の意味の違いの回で、【言付け】は、“話し言葉”でもない、“書き言葉”でもない、新しいメディア表現であると定義づけました。

 そして、“託”には3つの読み方があり、“口実”扱いまでされる【言付け】は、自分の思いを一方的な表現するコミュニケーションと定義づけしました。思いが一方的ゆえに、<受信1 対 発信N>の構造でのコミュニケーションを可能にすることを説明しました。

 【言付け】は、<発信者>と<受信者>の関係が定まっていないのが本来の形なのかもしれません。正しく確実に言葉を伝える【言伝】とは、その点で一線を画します。不意に出会う‘おくりごと’が【言付け】なのかもしれません。ネットを徘徊して、“書き言葉”でない表現を求める姿がありますし。漫画や書籍を読むのとは違うお笑いに満ちています。

 場の設定があって、<発信者>と<受信者>の関係によって生まれるコミュニケーションが【言付け】なのでしょう。


 ということで、<発信者>と<受信者>を表す言葉について確認してみます。

 『言付ける』(発信):【言付け】行為そのままの表現
 『言付かる』(×受信):‘おくりごと’する間に介在する役割を担う。お届け先ではなく仲立ちの受託行為。

 『言付かる』について、受託するのは仲立ちする意味になる。コミュニケーションにおける受け手の行為ではない。『言付ける』は発信行為だが『言付かる』は受信行為ではないのである。

 ネット上に溢れた【言付け】を拾う受信者の行為をどう名付けるか考えなければいけません。。。