自分を他人事のように扱う<前置き表現>としての『〜的に』

 ここで問題にしてるのは、<前置き表現>としての『〜的に』であって、「個人的には〜」、「自分的には〜」、「基本的に(〜な人だから・・・)」などを指します。

 自分の立場を語って話題を遮る「基本的に〜な(人だから)」の用法については、〝訳に立たない日本語〟のブログで説明されています。


 自分の意見を発言する為の<前置き表現>する『〜的』は、リアルなコミュニケーションでもよく使われるが、あまり受けが良くなないようです。自分を他人事のように扱っているからです。

 しかし、【言付け】コミュニケーションには、自分を他人事のように扱うことが必須なのです。そのままの表情を出せない代わりに、造り出したキャラ表現を間に介在させて、コミュニケーションを図る【言付け】には、‘複数ある自分の中のひとつ’であるという主体意識が不可欠なのです。

 【言付け】で、[スタンス]や<場>を位置づける表現の代表が『〜的に』であり、‘複数ある自分の中のひとつ’を意識することが重要なのです。