『ツイッター』は、「トーク」なのか「スピーク」なのか

 『言う』と『云う』、そして「謂う」の違いで、コミュニケーションの日本語について説明しましたが、英語のワードからコミュニケーションを形態分別していきます。

 まず、「コミュニケーション」は、言葉、表情、アート(万人が解釈できるもの)などを通じて情報を共有する交わりであり、「交信」と云います。ここでは、「言葉」というメディアに関する「コミュニケーション」を扱います。

 
[say]   云う。申す。
[tell]  伝える。
[speak] 話す。
[talk]  しゃべる。


 強引に日本語に単純言い換えをしたらこんなイメージになるかと思います。[say]と[tell]は、コミュニケーションの基本機能なので、形態の特徴にはなりませんが、[speak]と[talk]によって形態分別ができます。

 チャットは、同期する[talk:トーク]です。掲示板等の書き込みは、同期しないので[speak:スピーク]と云えるでしょう。では、チャットと掲示板を兼ねる『ツイッター』はどうでしょうか。


 [トーク]は、相手が居てこそ成り立つものです。「フリートーク」でも「スモールトーク」でも<相手の居る場>があって、役割ごとに強制する表情があります。[スピーク]は、<場>があっても、表情は強制されません。[トーク]は、発言内容はどんなに退屈でも、まずは表情の強制ありきです。[スピーク]は、表情の強制を受けないので、発言内容は言いたい放題でも成立します。

 本来は、<場>が強いる表情の強制によって分けられますが、顔の表情が見えないネットコミュニケーションでは、使い方次第になるようです。日常では、ストレートに表現しない感想を、ネットでは感想をストレートに表現できてしまいます。それが、ネットの楽しさになってしまってるのでしょう。


 『ツイッター』は、「トーク」扱いすれば挨拶ばかりの馴れ合いになりますが、「スピーク」扱いすれば配慮のない独り言で溢れます。ストレートな表現を楽しむから、『ツイッター』は、基本的に「スピーク」になってると思います。「〇〇スピーカー」にならないように気をつけたいものです。