すれ違いが必然の【言付け】コミュニケーションにこだわる意味

 【言づけ】の新たな意味を掲げて論じてきましたが、【言づ(付)け】コミュニケーションを考えていく方向性について整理したいと思います。
 
 まず、「コミュニケーション」についてですが、「コミュニティ」を形成するものであり、共有することを意味します。つまり、一方的に記す文字列はコミュニケーションにはならないのです。言葉に託す【言付け】がコミュニケーションになるには、<共有する場>の形成が不可欠なのです。


 <共有する場>を造るには、<雰囲気・空気>を造らないと行けません。日頃から密な連絡があって、何か目的などを志向できれば、<雰囲気・空気>を見出すことができます。しかし、密な連絡がなければ、<雰囲気・空気>を造るのが難しくなり、相手(場)に合わせることができません。【言付け】だけに頼ると、すれ違いに至るのが必然なのです。

 <場>のない相手とのコミュニケーションにならないように、【言付け】だけに頼らないで、会話などを大切にするのが、懸命なコミュニケーションのあり方です。実際、メールでのやりとり内容を限定するルールを造ったり、メールの他に電話などの会話で補ったりすして、すれ違いを防ぐ意識を持たれている方も多いと思います。

 
 【言付け】は、<場>の下地があって、初めて成り立つものなので、どこまでいっても付加的なコミュニケーションでしかありません。それでも、【言付け】コミュニケーションは、大きな役割を持っていると思います。

 それは、人が意思疎通を図ろうとするのに、<主観>をどれだけ調整しているかを知ることになるからです。【言付け】だけでは伝わりにくい表現には、<主観>を調整する態度が潜んでいるからです。

 【言付け】では、<主観>を調整するためには、不足の言葉を付加して、状況説明に努めないといけない。状況説明を補わなければいけない言葉について調べていきたいと思います。