『点取占い』の挿絵は、占われる存在と離れたシュールさを表現する

 主語もなければ「バーナム効果」もない『点取占い』の記事で、血液や生年月日などで占われる存在を特定しない『点取占い』の特徴を書かれていますが、占われる存在を特定させないシュールさは、占いに描かれた挿絵も大きな役割を果たしていると思います。

 『点取占い』の挿絵は、描かれているものとそうでないもんがありますが、その基準については不明です。ただ、傾向として見れるのは、「情景が見えない占い」は、挿絵がないようです。


 このような情景が見えない占いは、対象や目的などを提示していないので、誰にでも当てはまります。よほど強い信仰心がなければ、「バーナム効果」は発生しないでしょう。

 一方、「情景を絵にした占い」には、対象や目的に加えて表情までも挿絵に描かれています。


 これらの挿絵を見ると、タッチが古いゆえに、占われる存在としての意識を遠ざけて、シュールな世界をイメージされてしまいます。『点取占い』がシュールといわれる理由は、こうした挿絵の持つイメージ想起力の強さにあるのではないでしょうか。

 『点取占い』のアレンジバージョンが見受けられますが、メインは短文の内容よりも挿絵を変えることにあるようです。挿絵によって、投影するキャラ、想定するシーンなどが変えられ、表現の幅が広がるのでしょう。

 こう考えると、「点取り方式(テントリックス)」の短文表現は、まだまだ大きな可能性を持っているように思います。