「www」という『語尾託字』をつける【言付け】コミュニケーション

 ≪顔文字≫の表情機能を、言葉の語尾に付けて、文字形式のまま表現するのが『語尾託字』と称します。「www」などのように、表情の増幅を語尾に託す字という意味で名付けました。

 <場>を造る【言付け】コミュニケーションでは、「表情」を補う[スタンス]を示す意思表現が不可欠です。「(笑)」や顔文字などの[スタンス]を示す意思表現は、述語の語尾に付着します。では、 「(笑)」のような語尾に付着するネット特有の《ネット言葉》について、考えまていきたいと思います。

 《ネット言葉》は、多くの流行語を生み出していますが、『語尾託字』については流行ではなく普遍的なものとして定着しつつあると思います。例えば、<笑い>の表情を示すものに「w」があります。
 
 「w」は、「warai」の頭文字を表すものですが、「(笑)」とは明らかに違うニュアンスです。「w」は、「(笑)」と同様に<笑い>の表情を示すものではありますが、コミュニケーションのスタンスが全く違います。

 「(笑)」は「(^^)」のようなあいづちの笑顔に近いのですが、「w」はあいづちではなく、<場>のムードに投げかけるツッコミ表現だと思います。「w」がメールで使われる場合、相手に[同調]を訴えかける<笑い>ではなく、自虐的な自己完結の表情としての[差異]を示す<笑い>なのです。
 
 「ざまぁwww」「超ウケルwww」、「オモローwww」

 のように、2ちゃんねるのような掲示板では、[差異]の発見を悦んでいる表情として使われます。そのテーマが面白いかどうかの表情を示すには不可欠な表現です。

 「〜ですねwww」、「〜なわけがないwww」、 「〜できるwww」

 のように、「w(ワラ)」は、形容詞的な表現に付着するだけでなく、批判ツッコミする指摘記述表現の語尾につけることもできるので汎用的です。「w(ワラ)」は、ネット限定の普遍的な表現として必ず残っていくと思います。